2005年5月より、読書会としての新たな試み

 「満洲国」文学研究会は2001年から、月に二回の「読書会」を持ち、おもに「満洲国」の中国語作品を解読してきました。その過程で、当時の社会状況をより詳しく知らなければならないと、痛感するようになりました。またそれを直接に体験された方や、研究の御先達からお聴きしておくことも、たいへん大切なことと認識いたします。
 そこで、05年5月から本読書会を不定期ながら、日中問わず「満洲」体験者や他分野の研究者から幅広くお話をうかがう場ともしたいと思っています。




第三回(10月27日)
 文芸評論家の田所泉さんに、近く出版される訳書『劉鴻運自伝 アカシアの街に生まれて』に基づいて、うかがいました。「関東州」大連の学校でご同窓だった劉氏の学校生活、その後の苦難の道のりを紹介されました。さらに、当時の歴史背景のもとに日本人少年として中国人少年と出会った田所さんご自身の側の記憶、そして現在の考察を話して下さいました。日本植民地にあった子供の生活という視点が、たいへん貴重でした。


 第二回(6月30日)
 浦和大学教授の沈潔先生に、御著書『「満洲国」の社会事業』(ミネルヴァ書房、1995年)や、「満洲国」社会の中国女性にかんする最近の御研究について、うかがいました。


 第一回(5月26日)
 「満鉄」にお勤めでいらした庵谷磐さん(1917年、「奉天」にお生まれになり、40年に東京帝大卒業後、満鉄入社)に、ご自身の体験についてお聞きしました。
 
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